わたしの意地悪な弟

 だから、彼のお姉さんになるために、今度は自分で動こう。

 今までみたいに他人任せではなく。

 ただ、問題はどう謝ればいいかだ。

 今までごめんなさいといえば、彼は理由を聞いてくる。歩み寄ろうとしなかったと言えば、彼ははねのけるだろうか。それとも受け入れてくれるだろうか。

 答えの出ない問いかけを心の中で延々と繰り返していたとき、砂を踏みしめる音が聞こえた。

 水色のシャツにジーンズ姿の樹が、公園の中に入ってきたのだ。

 思いがけない対面に、わたしがまごついていると、彼はわたしの傍まで歩み寄ってきた。そして、わたしの腕をつかんだ。

「何をやっているんだよ。こんなところで」

「考えごとをしていたの」

 いろいろ考えたうえで、そう返答する。

「家で考えればいいだろう。何もこんなところで」

「わかっているよ。そろそろ帰る」

 わたしはふっと息を吸い込んだ。

 きっと今なら謝れると思ったのだ。

 樹の視線がわたしからそれ、公園の中を泳ぐ。