わたしの意地悪な弟

 驚きの声をあげたのはわたしだ。

 せいぜい小学生くらいからだと思っていたためだ。


 日和は勝ち誇った笑みを浮かべると、腕組みをする。

「日和」

 強い口調で樹は言うが、日和の得意げな表情の前には藻屑と化す。

 そんなやり取りをみながら、わたしは意味が分からない。

「じゃあ、樹が再婚時にわたしは姉じゃないといったのは、嫌っていたからじゃなかったの?」

「嫌ってかあ」

 日和は樹を見て苦笑いを浮かべた。

「お姉ちゃんのことが大好きでたまらなかったからだよ。家族になったら、結婚できなくなると思っていたみたいだよ。

お嫁さんにしたい相手をお姉ちゃんなんて呼びたくなかったもんね。あの頃からお姉ちゃんのことが好きでたまらなかったみたい。

本当は再婚も反対したかったけど、お父さん思いだから言い出せなかったんだよね」

 付き合いの深さの差なのか、日和の勘の鋭さなのか、彼女はわたしの知らなかった情報を続々と並べてくる。

 その言葉に樹が肩を落とし、徐々に小さくなっていく。