わたしの意地悪な弟


 わたしが渋っていると、ドアが開き、日和が店の中に入ってきた。

 彼女は半田君を見ると、頭を下げた。

「お久しぶりです。お姉ちゃんと同じ学校の半田さんですよね」

「こちらこそ。俺はこの辺で帰るよ」

 半田君はそういうと、店から出て行った。

 日和は半田君を目で追うと、じっとわたしを見る。

「たまたま会ったの。お店の前で」

「分かっているよ。そのマフラー遠くで見るときよりいい感じだね。それ買えば?」

「でも」

「樹の誕生日プレゼントを買う気なら、どこかで決断しないときりがないよ」

 わたしは日和に背中を押されて、レジまで行く。

 そのまま会計を済ませ、日和と一緒に店を後にした。

「これで目的は達成か」

 すっきりとした日和とは裏腹に、わたしの気持ちは複雑だ。

 ラッピングまでしてもらったマフラーをじっと見る。

「大丈夫だよ。樹は喜んでくれると思うよ」

「わたし、最近樹と話をしていないから……」

「そんなの気にする必要もないけどね」