テストが終わって最初の日曜日、わたしは日和と一緒に誕生日プレゼントを買いに行くことにしたのだ。

 樹の誕生日の二日前なので、誕生日プレゼントを選ぶには最後の日となる。

 日和はあごに手を当て、筆箱を目をさらにして見比べていた。

「今、黒だからやっぱり黒でいいかな」

 日和は選んだのは黒い革の筆箱だ。彼が今使っているのと同じようなタイプだ。

 彼女はすでに誕生日に筆箱をあげるので、樹には買いなおさないようにと宣言していたようだ。

 そんな日和とは対照的にわたしはまだ樹に何をあげるのか決めかねていた。

「お姉ちゃんはどうする?」

「まだ決めてない」

「とりあえず店内を回ってみようか。別のお店でもいいよ」

 わたしは日和と一緒に店内をめぐるがぱっとしたものが見当たらない。

 使えるものをと考え、一昨年は財布を、昨年は手袋をプレゼントしていたが、日用品をあげていくと徐々に選択肢が狭まっていった。樹はわたしが昨年あげた手袋を今でも普通に使ってくれているようだ。