翌日、学校に着くと、利香が気まずそうに顔を背けた。
わたしは彼女の表情を訝しげに思いながら、声をかけた。
「どうかしたの?」
「言いにくいんだけどさ。昨日、樹君を見たんだ」
「どこで?」
彼女はうん、と声を出すと、目をそらす。
「駅前のカフェで、女の子と一緒にいた。この学校の子」
「田中恵美って子?」
利香は首を横に振る。
「一年の佐々木春菜。結構可愛くて有名らしいよ」
わたしの知らない子だ。あの子でないことにホッと胸を撫で下ろす。
だが、同時に複雑な気持ちが湧き上がってきた。
樹がわたしや日和以外の特定の女の子と仲良くするなんて今までなかったためだ。
「その子、少し前に樹君に告白したって噂なんだ。樹君がどう答えたかは分からないけど」
「そうなんだ」
素っ気ない言い方をしながらも、頭の中ではぐるぐると利香の言葉が駆け巡る。
彼に好きな子ができても、彼女ができてもおかしくはない。
いつかそういう日が来ると分かっていたはずだ。
わたしは彼女の表情を訝しげに思いながら、声をかけた。
「どうかしたの?」
「言いにくいんだけどさ。昨日、樹君を見たんだ」
「どこで?」
彼女はうん、と声を出すと、目をそらす。
「駅前のカフェで、女の子と一緒にいた。この学校の子」
「田中恵美って子?」
利香は首を横に振る。
「一年の佐々木春菜。結構可愛くて有名らしいよ」
わたしの知らない子だ。あの子でないことにホッと胸を撫で下ろす。
だが、同時に複雑な気持ちが湧き上がってきた。
樹がわたしや日和以外の特定の女の子と仲良くするなんて今までなかったためだ。
「その子、少し前に樹君に告白したって噂なんだ。樹君がどう答えたかは分からないけど」
「そうなんだ」
素っ気ない言い方をしながらも、頭の中ではぐるぐると利香の言葉が駆け巡る。
彼に好きな子ができても、彼女ができてもおかしくはない。
いつかそういう日が来ると分かっていたはずだ。



