駅に着いて、ホームで電車を待っていた時、漸く私は口を開いた。
「ねえ、今更だけど、なんで幽霊なんて信じてくれたの?」
「本当に今更だね」
はぁーっと息を吐き出して意地悪に笑みを浮かべる。体力のない朔良は息を整えるのに時間がかかったようで、まだちょっと苦しそうだ。
「だって、混乱してて.....! あまりにも自然にここまで来ちゃったから!」
「ははっ、うん、だからだよ。あまりにも必死だから。この春休みの間にすごく仲良くなったんだなあって思った」
「仲良くなったって......嘘だと思わなかったの?」
「嘘なの?」
笑顔で可愛らしく首を傾げるものだから、こっちがなんて言っていいのか分からなくなってしまう。
「嘘じゃないよ」
「でしょ。見てればそれくらい分かるよ。それに、双葉はそんな幼稚な嘘吐かない。俺は双葉が信じるものを信じるよ」
急に頼もしくなった朔良にまた胸が苦しくなる。かっこよく見えてしまうのは気のせいだろうか。こんな時に高鳴る鼓動が悩ましい。
「......信じてくれてありがとう」
それだけ言うのが精いっぱいだった。きっと、私の頬は赤く担っているに違いない。顔を見れないけれど、横にいる朔良が楽しそうにしている気がする。居場所のないこの恥ずかしさを息を吐き出して誤魔化した。そこへ電車がホームへ入ってくる。それに二人で乗り込んだ。
「その木花って友達の話、聞いてもいい?」
電車に揺られ、窓に映る景色をぼんやりと眺めながら言った。それに軽く頷いて、どこから話そうかと思案する。
「最初に見掛けたのは春休み一日目。その時はこっちを見てるだけだったけど、私は幽霊を見たかもしれないなんてってちょっと怖かったんだ。でも――」
木花との出会いから今日までを出来るだけ簡潔に朔良に話した。細かいことは端折ったけど、朔良は少しずつ私の混乱の意味を解ってきたようだ。


