「お母さん…は行っちゃったよね、仕事」
 

重い足取りで階段を降りていくと

リビングのクーラーは当然切られてるし。


「うっそぉ、あっちぃ」


冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し

つつ、クーラーのリモコンを押した。

壁のカレンダーを指でたどって、


「えぇっと、今日は…」


残念、まだ火曜日。

修ちゃんに会えるのは明日だ…。

確か新しいデザート、CMでやってたよなぁ。

修ちゃんと二人で、品評会しながら食べるの

楽しみなんだよね。

って食べ物のこと考えてたせいかな。

もう一度、グルルルル~。

時計はもう十時半をまわってるんだもん、

当然だよね。

喉を通り過ぎる水の冷たさにクラクラしな

がら、一応携帯をチェック。