『そっか、実基叔母さん。
赤ちゃんがお腹の中に居たんだった…。』


すっかり忘れてた。


「おねぇちゃん!それ所じゃないよぉ!!」


お母さんを支える蒼月。


「助けなきゃ……助け……な…きゃ…。」


『お母さん!しっかりして!!』


「お母さぁん!!」


さっき迄余裕を持ってたお母さんは
涙を流し、虚ろな瞳で前を見ている。

お母さんの瞳には
あの光景が映し出されているんだろう。


「私が…助けないで誰が助ける。」


綺麗な瞳が黒く陰った様に見えた。