『蒼月、皮剥いて。』


「はぁ〜い!」


蒼月が野菜の皮剥き役、私は切る役。

蒼月に包丁持たせたら危ないからね。


シャッ…シャッ!

トントントン…


「またお父さんに一人占めされちゃったねぇ…。」


『………。』


「お父さんはお母さんさえ居れば良いのかなぁ…。」


『馬鹿な事言わないで剥いて。』


「おねぇちゃんはなんとも思わないのぉ?」


思わない事なんてない。
でも、仕方ないじゃない?夫婦なんだから……。
そう思うのは当たり前なんだよ。


ガチャ


「朱羽達が作ってるのか。」


「父さん!母さんと仲直り出来た!?」


「あぁ、天空のおかげだな?
これからも頼むぞ?」


「うん!ちゃんと見張っとくからね!!」


お父さんと天空を素通りし、
私達はお母さんの寝室に向かった。