双姫 Ⅲ



『なんで天空がこんな所に…?』


「い、家に置いて来たよねぇ〜??」


でも、お父さんに駆け寄るのは
間違いなく天空だった。


「父さん!大変!!大変!!!」


「落ち着け、何が大変なんだ?」


「天空、どうやってここに来たの!?」


周りを見るけど付き人の姿は見えない。


「勘!!」


・・・・?


勘でこんな所に来ないでしょ!


「流石、朱音の息子だな。
仕込みがいがありそうだ。」


え、紘叔父さんはなんで納得してるの?
それに周りの人達も頷いてるし。


「そんな事より父さん!大変なんだってば!!」


お父さんの袖を
引っ張って必死さをアピールする天空。


「どうしたんだ。」


「母さんが…母さんが不倫したぁ!!」


「は?はぁ!!??
天空!また訳の分からない事を言って!

不倫なんかしてないわ!
類もなんで睨むのよッ!!」


「不倫…そうか、証拠があるんだな?」


なんともおかしな雰囲気になってしまった。