「嘘だ!『双姫』は実在しない!!」


「あら、私はここにちゃんと居ますけど?」


手を振るのは、


『「お母さんが…?」』


でも、その表情はお母さんじゃない。


「そろそろその忌まわしい拳銃を
娘の頭から離しなさい。」


お淑やかにといつも私達を叱るお母さん。
でも、今は『双姫』という伝説の女。


「それともまたその手に傷を負いたい?」


カチャ…


お父さんの懐から拳銃を取り出し、
銃口を向けるお母さんは
怖いけど、不思議と嫌いにならなかった。


寧ろ、


『「カッコいい…。」』


見惚れてしまった。