「来ればお金あげるから、ね?」


「離してってば!」


意外に力が強くて振り払えない。


ガシッ!


「おい、オッサン…嫌がってんだろ?
離さねぇーならこの腕、へし折るぞ。」


「ヒッ!?」


怯えながら逃げる男を呆然と見つめ、
また座り込む。


「お前、何してんだ?
もしかして…行くとこねぇのか??」


「……そんなの無い。
私の居場所なんて、どこにも。」


「そうか。」


私と同じ位の男が目線を合わせる様に座る。


「なら、俺と一緒に来るか?
俺は蓮斗。お前は??」


「……真綺。」


連れて行かれたのは倉庫。


「おい、お前ら。
今日からコイツ、ここに寝泊りさせっから。」


「れーちゃん!…え゛ー!誰この子!!」


「お、蓮斗がついに女好きに?
俺と同じになったな。」


「湊と一緒にされたら終いやんな(笑)」


「女の子だぁー!
え、もしかして幹部に入れるのぉ!?」


「……?」


「保留。
今は真綺の居場所をここにしたいんだ。」


居場所…?