「今の朱音じゃ想像出来ないだろう?」


私達の思ってた事が分かったのか
紘叔父さんはゆっくり話し始めた。


「血に染まる妹を抱き、
泣き叫ぶ姿を今でも鮮明に思い出す。

幼い朱音にとって心を壊すには
充分過ぎる出来事だった…。」


周りの人達も静かに紘叔父さんの話を聞いてる。


「そして、天涯孤独となった朱音を
俺と俺の両親は養子として向かい入れた。」


え?


『養子…?』


「俺と朱音は血の繋がった兄妹じゃないんだ。
でも、本当の妹だと思っている。

朱音と蒼空はそれ迄、
捨て子として施設に暮らしていた。」


お母さんと蒼空叔母ちゃんが捨て子…?


もう頭の中がパニック状態だ。