それから数十分後。
「お嬢様、着きました。」
『ありがとう!』
運転手に扉を開けられる前に自分から降りた。
「うわぁ〜デッカいねぇ!!」
風流な感じの建物。
華道をしてるからなのか『和』を感じる。
呼び鈴も古風だ。
『こ、こうで良いのかな……。』
鈴に繋がる紐を引っ張る。
チリリーン…
なんて軽やかな鈴の音…。
って和んでる場合じゃない!
こんなんで出て来んの!?
ギィ…
木造の扉が開き、誰か顔を出した。
「どちら様ですか?」
出て来たのは
黒髪でメガネを掛けた超イケメンの男の人で、
着物が凄く似合ってる。
『あの、
的場 李樹様はいらっしゃいますか…?』
令嬢らしく…お母さんみたいに問い掛けた。
「的場 李樹なら私ですが?
朱羽さん、蒼月さん。大きくなりましたね。」
その人の言葉に開いた口が塞がらなかった。



