『お母さん!?』


「駄目ぇ!!」


皆の慌て様にお母さんが正気じゃない事に
今頃になって気付いた。


幾ら手を伸ばしても届かない。


お母さんッ!!


ドンドン背が遠くなって行く。


この拭いきれない不安感は何……?
お母さん!お母さん!!


『お母さんッ!!!』


私が叫んだと同時に誰かが横を通り過ぎた。

通り過ぎたのは、


「朱音…戻っておいで……。」


お父さんだった。