性悪王子と秘密の同居


「…羽音、そんなに離れてると

雨に濡れんぞ」

もっとこっちこいよ、

そういって私に近づいてくる

蓮くん

…無意識かもしれないけど

私はすごくドキドキするんだから!

それに、蓮くんはすごい優しい

…だって私が濡れないように

傘をこちらに傾けてくれている

お陰で蓮くんの左肩は

少し濡れてしまっている

「…蓮くん、もう少し

自分のほうに傾けて?

蓮くん風邪引いちゃうよ」

「俺は大丈夫」

「大丈夫じゃないよ!」