「いーよ!ちょっと恥ずかしいけどね」
「じゃあ俺はななみって呼ぶから」
「だったら私は奏也と賢人ね!」
こうして私達はお互いの呼び方を決めた。
そして、今の仲がいい関係が出来上がった。
「でも楽しいんでしょ?よかったじゃん!」
私もそう思う。
だから奏也と賢人には感謝してるんだ。
ま、本人達には言わないけどね。
「何がよかったのー?」
「わっ!奏也!」
いきなり背後から奏也が現れた。
「なんでもない!」
よかった、気づかれてない!
「ふーん、そっか。じゃ、今から寄り道しない?けんちゃんも誘ってさ!」
なるほど、誘いに来てくれたのか。
でも...
「ごめん!今日はちょっと...」「七海!帰ろうぜ!」
今、あいつの声がしたような気がする。
そう思いながら振り返ると、そこには思っていた通りの人がいた。
「祐!ちょっと待って!」
「ななみん、知り合い?」
「私の幼なじみの松永祐。今日は家族ぐるみで夕飯食べることになってるから、早く帰んなきゃ」
「へぇー、幼なじみ、ね」
奏也の顔が少し曇った気がしたのは気のせいかな?

