「ごめんなさい。私のせいでこんな…」
「なにいってるの!君だけのせいじゃないでしょ!」
男の子はニコッと笑うとチラシを全て拾い上げてくれた。
「すみませんでした。私の不注意で」
私はそう言って謝るとその男の子にお礼を言った。
「ありがとう!本当に助かったよ!」
「いえいえ♪じゃーね!」
それっきりその男の子とは会ってないんだけど、まさかそれが奏也だったなんて。
「やっぱり、運命だったのかもね!僕達が出会うのは!」
「かも、しれないね!」
だとしたら、嬉しいな♪
「あのさななみん、今日一緒に帰らない?」
それはもちろん。
「喜んで!」
奏也に出会った時からきっと、無意識のうちに惹かれてたんだと思う。
奏也も一緒だったらいいな!
だって、運命の人だもんね。
私は奏也の横顔を見つめる。
奏也、大好きだよ。これからもよろしくね?
私は1人、心の中でそうつぶやいた。
すると、見つめていたのを不思議に思ったのか、奏也が私の方を向いて、そのままニコッと笑った。
この笑顔、ほんとに好きだなぁ。
さっきの私のつぶやきに、奏也が返事をしてくれたみたいで嬉しかった。
さてと、みんなで打ち上げやりますかっ!
無事に教室に到着した私たち。
「せーのっ!」
私と奏也は息を合わせて、教室の扉を開けたーーー。
END