「じゃ、運ぼっか!」
「うん!」
ペットボトルを数本抱える私。
そして出口まで運ぼうとしたその時。
ドンッ
ガタッ
バラバラバラバラ…
「あーっ!」
方向転換をした私と先生がぶつかってしまって、その拍子に近くにあったプリントの山が崩れてしまった。
「うわわ、たいへん!」
慌てて拾い集める私。
「ななみん大丈夫?」
奏也も手伝ってくれた。
「私が周りを見てなかったばっかりに…」
「なにいってるの。ななみんだけのせいじゃないでしょ」
あれ?なんか今のセリフ、聞き覚えがあるような…。
「悪かったな、俺も周り見てなくて」
「いえ、そんな!私の不注意ですから!」
プリントを集め終わって奏也を見ると、
「ん?どうかした?奏也」
「えっ?あ、いや、なんでもない!」
私は奏也が集めたプリントを自分のとあわせて元の位置に置いた。
教室に帰る途中、奏也に聞かれた。
「ねぇ、ななみんさ、中学生の時、広い公園のお祭り行ったことある?」
「奇遇だね。私も今同じこと考えてたよ」
「じゃあやっぱり…」
「うん、そうみたい!」
あれは一年前、中3の時に行ったお祭りでの出来事。
そこのお祭りは範囲が広くて何かあった時のために本部が設置されてるんだけど。
たまたまそこを通った時に人とぶつかってしまった私はチラシの山を崩してしまった。
「大丈夫!?」
すると1人の男の子が拾うのを手伝ってくれた。