「さ!着替えて着替えて!」
私は昨日と同じ衣装を着て昨日と同じ髪型にしてもらった。
「じゃ、いこっか!」
体育館に入り、舞台袖に待機する。
「あ!高橋くん!」
すると、衣装を身にまとった奏也が入ってきた。
うわー!かっこいい!
「奏也!似合ってるよ!!」
「ありがと、ななみん♪あ、そういえば、」
奏也が言いかけたその時、音響のチェックが始まり奏也の声が聞こえなくなってしまった。
「なにー?」
私は少し大きい声で奏也に聞き返す。
すると奏也は私に近づいて口に手を当て顔を耳元に近づけた。
「昨日はドタバタしてて言えなかったけど、その衣装似合ってるよ!かわいい♪」
っ!!
み、耳元でそんなことを…!
いくら奏也がかわいくてもこれはドキッとする!
ニコッと笑う奏也。
ほんとに小悪魔なんだから…。
音響のチェックも無事に終わり、すべての準備が整った。
そういえば、賢人はどこにいるんだろう?
あー、ダメダメ!今は集中しなきゃ!
そして、開幕の時間となった。
「お客さんいっぱい来てる!よかった!」
理乃が嬉しそうに言ったのを聞いて私もホッとした。
緊張しそう…。
「ななみん大丈夫?落ち着いて!深呼吸して♪」
「スー…ハー…うん!大丈夫!」
「がんばろうね!」
奏也は私の頭をポンと叩くと舞台に出ていった。
ほんとだ。理乃の言ってた通り。
奏也、変わったなあ。
なんか、頼もしくなった気がする。
私も奏也に続いて舞台に出た。
奏也のおかげであまり緊張せずに、いつも通り舞台を進めることが出来た。
そして、クライマックス。

