「七海、」
「ん?」
祐はじっと私を見つめた。
「俺は、七海のことが好きだ。昔からずっと、好きだった。けど俺臆病だからさ、なかなか言えなかったんだ」
祐…。
「お前が俺を好きじゃないのは分かってた。けど、言わないと後悔すると思った。ごめんな、困らせて」
「ううん、嬉しかったよ。私、祐の気持ち全然知らなくて、だからすごく驚いたけど、ちゃんと考えた」
私はまっすぐに祐を見つめた。
「今まで気づかなくてごめんね。私にとって祐はすごく大事な存在で、家族のように大切なの。
で、そう考えた時に気づいたんだ。祐は私にとって弟なんだなって。
だから、ごめんなさい」
「そっか。ちゃんと考えてくれてありがとな」
祐は私に微笑んだ。
ごめん、気持ちに応えてあげられなくて。
私たちが乗るゴンドラは一周して地上に到着した。
ゴンドラを降りて出口に向かう。
「七海」
私は祐の方を向く。
「これからも、家族みたいに接してくれるか?」
「私はいいけど、祐の方が…」
「俺はへーきっ。だてに長い間片思いしてないから!」
祐はニカッと笑ってピースする。
「…うんっ」
祐にはいつか幸せになってほしい。
私がそんなこと願ったら、やっぱりダメかな?
それでも、祐は私の大切な幼なじみで家族だから。
そう願わずにはいられなかった。

