〜奏也side〜



「あれっ!?けんちゃんメガネは!?」



教室に入った僕の目に映ったのは、久しぶりにみるメガネをしてないけんちゃんの姿だった。



「奏也、おはよ。俺は本気で取りに行くからな」



それがななみんのことを言っているのはすぐにわかった。



確かに、中学でメガネをかけだしてから人前で取ることはなかったけんちゃんがこんな…。



中学が一緒でメガネをかけてる理由も知ってた僕には、けんちゃんがどれだけ本気かよくわかった。



これは僕も負けてられないね!



「僕だって、こっからがんばるんだ!」



さてと、まずはやっぱり勉強かな。



〜祐side〜



あれ?あそこに立ってるのって…。



朝、廊下を歩いていた時、七海が窓の外を一人で眺めていた。



気になるな…。



自分でじっくり考えろって言った割に、余裕ないからな、俺。



悩んだ末に、声をかけることにした。



「七海!どうかしたか?」



「えっ、あ、祐か」



よっぽど深い考え事をしてたみたいだな。



「ちょっとね、頭の整理中」



よくわかんないけど、もしかして俺のこともその中に入ってるのか?



だとしたら何も言えないよな…。



ここは何か他の話題でもふってみるか。



「そういえば、文化祭何やるか決まったのか?俺のクラスは食品だけど具体的にはまだ決めてないんだ」



「文化祭…、確か、劇をやるってなったけど、ストーリーはまだ決めてないよ?」



ふーん、そうなのか。



七海が出るんだったら絶対見に行く!