〜七海side〜
病院で検査を受けたけど、特に異常はなかった。
明日からすぐ練習を再開していいらしい。
よかったぁ。これ以上迷惑かけられないもんね!
けど、また賢人とあの距離感で練習するのかぁ。
がんばらなきゃ!
さらに気合いが入った状態で翌日から練習に励んだ。
賢人はかなり心配してくれたけど、大丈夫だから!と言って何度も練習をやってもらった。
そして、体育祭当日。
「位置について、よーい」
パンッ!
「「せーのっ!」」
私と賢人は練習通りに走り抜けることができた。
リレー方式でたすきが順調に繋がっていき、私達のクラスは見事1位に輝いた。
「やったあ!」
「よっしゃあ!」
私と賢人は大喜びでハイタッチをした。
「七海、ありがとな!」
「こちらこそ!」
なんだか、練習前よりも賢人との距離が縮まった気がする。
「けんちゃん!ななみーん!おつかれさま!」
すると、奏也が走り寄ってきてくれた。
「2人とも息ピッタリだったね!うらやましいぐらい!」
「練習の成果が出たってことかな!」
パッと賢人の方を向くと、なぜか挙動不審な動きをしていた。
もしかして、照れてる、とか?
なんか、私まで恥ずかしくなってきた。
もう!意識しないようにしてたのに!
「私、水飲んでくる!」
私は慌ててその場を離れた。
やっぱり、賢人とくっついてるのは慣れなかったな…。
最初の頃よりは落ち着けるようになったけど。
なんて考えていると。
「七海!」

