〜奏也side〜
ななみんは親と一緒に病院へ行ったらしい。
僕とけんちゃんはなんだか変な雰囲気のまま授業を受けた。
けど僕は授業なんか集中できなかった。
僕は、ななみんのことが好きだったのか。
言われてみれば、そうかもしれない。
ななみんに幼なじみがいたのもなんか嫌だったし、けんちゃんの気持ちには敏感になっててすぐ気づいたし。
けど僕まで好きになってたとはね〜。
授業が終わってから、僕はけんちゃんに声をかけた。
「けんちゃん!」
「なんだ?」
「正々堂々、勝負だからね!」
けんちゃんは一瞬驚いた顔をして、
「そうだな!」
と言い僕の肩をポンと叩いた。

