「奏也!お前なんで…」
「僕も朝練来てたんだよ!そしたらみんなが何か話してるから聞いたらななみんが倒れたって!」
「ああ、意識を失ってる。これから病院に運ぶそうだ」
「そっかぁ」
奏也はベッドまで行くと不安そうに七海を見つめた。
「ねぇけんちゃん、もう一つ聞いてもいい?」
「いいけど?」
すると、奏也の顔つきが少し変わった。
「ななみんと何かあったり、した?」
俺は返答に困った。
起こった出来事としては七海をおぶったりはしたが、それを聞いているわけじゃないだろう。
そして俺は、心からなにもなかったと言える気がしなかった。
そのことに気づいた俺は、自分の心の底にあった気持ちにも気づいた。
「…わるい奏也。俺たぶん七海のこと好きだ」
奏也は俺の言葉を聞くと、はぁ、とため息をついた。
「そうだと思ったよー、けんちゃん気づくの遅すぎ」
どうやら奏也は俺より先に勘づいていたらしい。
「だいたい二人三脚だって、ななみんがまだ種目決めてないって聞いて急にやりたいって言い出したし?」
無意識だった…。

