「先生!大変です!二人三脚で転んで意識が!」
「あら!とにかくベッドに運んで!」
言われた通りベッドに七海を寝かせる。
「…目立った外傷はないわね。けど病院に行ったほうがいいわ。親御さんに連絡してくるからあなたは看ててあげて」
「わかりました」
そして保健室には俺と七海の2人だけになった。
そういえば、さっきは無我夢中で気にしてなかったけど、七海をおぶって運ぶとか大胆なことしたな、俺。
けど俺がおぶれるぐらいなんて、やっぱり女子だな…。
な、なんか恥ずかしくなってきた。
てか今2人だけだよな!?
やばいなこれは。おい七海!早く起きてくれ!
なんだか急に意識してしまった俺は心の中で叫びながら七海の顔を眺めた。
「…ほんとかわいいな」
…えっ?
今の声、俺だよな?
はっ!?なんだいまの!?
俺が困惑していたその時、
ガチャ
と、扉が開く音がした。
よかった。先生が帰ってきたのか。
ベッドから離れドアを見に行くと、
「けんちゃん!ななみん大丈夫!?」
そこにいたのは奏也だった。