〜七海side〜
ある日のHR。
「では、体育祭はこのような形でやります。クラスのためにがんばりましょう!」
体育祭が近づいてきていたので、どの種目に誰が出るのかを決定した。
私は二人三脚に出ることになった。
ただ、この学校では男女のペアで二人三脚をしなくちゃいけないという変わったルールがある。
そして、私のペアはというと…
「七海、改めてよろしくな」
「うん!賢人の足引っ張らないようにがんばるね」
そう、私のペアは賢人。
この前奏也と賢人と体育祭について話していたら、賢人が二人三脚をやりたいって知って、一緒に出ることにした。
ちなみに奏也は100m走に出る。
「来週ぐらいから朝練やりたいんだけど、いいか?」
「おっけー!がんばろうね!」
やるからには1位をめざす!
私の気合いは充分だった。
そして1週間後。
朝早くに学校に来てさっそく練習を始めた。
私たちの他にも多くの人が練習をしに来ていた。
「よし、やるか!」
先生にもらった紐で足を結ぶ。
「手はこの位置でいいか?」
賢人が私の肩に手をかけた。
ドキッ
あ、あれ!?なんで!?
今までなんともなかったのに。
なんでこんなに緊張してるの、私!
「?七海?」
何も言わないで固まってしまった私を不思議そうに見る賢人。
「あ、大丈夫だよ!」
慌てて私も賢人の背中に手を回した。
「じゃあ外側の足からな。せーのっ!」
賢人の掛け声でとりあえず歩き始めた。
「「いっち、に!いっち、に!」」
うぅ〜やっぱり落ち着かないよ。
男子とこんなにくっつくことないし!
そのうち慣れるといいけど…。