んん??
何か変な話が聞こえる……。

「遙ちゃん、理沙ちゃん……」
ウルウルしながら見上げると。

「あ~、みんなあっち行け‼由梨ちゃんのことを見るな‼触るな!離れろ~‼」
えっ……。

皐月君に、あっち行けって……。

うっ……、うぇぇぇ……。

「えっ、由梨ちゃん??」
「由梨??」

「さ……皐月君……あっち行けって……(泣)もう学校……来たくない……(泣)」

とたんに湧き上がる大爆笑。
うぇぇぇ……、なんでぇ~??

「アーッハッハッ、由梨ちゃんウケる‼そして皐月がアホで、マジやべぇ‼」
「由梨ちゃん天然すぎっしょ!」
「ざまぁ皐月~‼」
「ほらヘタレ、早くなんとかしないと、由梨ちゃん学校来てくんなくなるぞ!」

やいのやいの聞こえる声も聞きたくなくて、ギューッと理沙ちゃんに抱きつく。

「皇のバカは気にしないで、ちゃんと学校に来てね。せっかく由梨ちゃんと仲良くなれたのに、寂しいから。」
いいこいいこしてくれる理沙ちゃんに。

「……うん。」
涙目で頷いたら。

「由梨ちゃん、絶対に皇なんかに渡さないから!」
「俺らみんなの由梨ちゃんな‼」

「お前ら、ふざけんなよ!協力してくれんじゃなかったのかよ??」

「え~、そんな約束しましたっけ~??」
「いやガチで、萌え~だわ、由梨ちゃん。」
「皇には、もったいない。」

なにやら騒がしい教室で、いつの間にか皆と仲良くなれた不思議な1日になりました。

うぅ、明日から、皐月君に嫌われないように頑張らないと……。

「別に頑張らなくても大丈夫なんだけどね(笑)」