小さな恋、大きな恋。

「うるさいよ、皇。」
皐月君!?

「由梨ちゃんは、みんなのなんだから!アンタなんかに渡さない!」
ギュウギュウと抱きしめられて、豊かな胸で倒れそう……。

「……理沙……さん、くるし……」

「あっ、ごめん‼あんまり由梨ちゃんが可愛くて‼」
ふぇ??

「それに同クラなのに、さんじゃイヤ~‼理沙って呼んで‼」
ふぇぇ??

「ハイ練習‼理沙!」
あぅあぅ……。

「……理沙……ちゃん」
真っ赤になりながら言ったら。

「イヤーン、可愛い♥」
と、また抱きしめられた。

な……なんか理沙ちゃん……、イメージが変わった……。

「だから離れろって!」

「うるさい、アンタがあっちに行け‼ 」

「行かねぇし‼俺も席ここだし!」
えっ?

「はぁ??もう、アンタどんだけ手回しして……」

「うっせ~‼とにかく俺は、ここなの‼」
と言うと、私の左隣、窓側の席に皐月君が座った。