今日、私は日直。

高校は1人でやるから、チビな私は毎回、黒板を消すのが一苦労。

背の低い先生の時はいいけど、今日はイケメンで背の高い数学・高野先生の授業があったから、つま先立ちで黒板を消していた。

う~、届かない~(泣)

ぴょんぴょん飛びながら消していたら。

「由梨ちゃん、貸して。」
隣から声が聞こえた。

「えっ?」
隣を見ると背の高い……皐月君!?

しかも、由梨ちゃんって!

カーッと赤くなったのが自分でも分かる。

「上の方大変でしょ?」
うっ……。

やさしい皐月君は、きっと見てられなくなったんだろうな……。

「お……お願いします……」
黒板消しを皐月君に渡す。

皐月君はニッコリ笑うと、難なく消してしまった。