「ちーちゃん……」 再び諒君があたしを呼ぶ。 ビクッと飛び上がるのを必死で抑え、平静を装う。 だけど、諒君は容赦なくあたしの手を掴み、指を絡める。 諒君に触れる指がすごく熱い。 そして、やっぱりドキドキが始まってしまう。 あぁ、だめだ。 少し触れただけで、こんなにも諒君に狂わされる。 完全にピンクな気分になっていたあたしの耳に、諒君の思わぬ言葉が飛び込んできた。 「ちーちゃん、可愛い……けど……」 ……けど? 「いつものほうがいい」 「えぇ!?」 思わず声を上げていた。