逃げるように鍵を挿し、ドアを開ける。 その間にもあたしの手はガタガタ震えて、呼吸も荒くて。 完全にパニックを起こしていた。 次から次へと悪い妄想が浮かぶ。 諒君を信じようと思ったのに。 だけど、やっぱり信じられない。 彼女がいるのに、元カノと連絡取って。 ……いや、あたしが浮気相手なだけなのかな。 あたしはずっとドアにもたれかかって、宙を眺めていた。