「えぇ、良いですよ」 真一は驚きながらも、ズボンのポケットからシルバーのライターを取り出した。 それは、いきなり話かけられたことに対してよりも、麻里子の印象だ。 たったひとことの話し方で、こんなにも人の印象は変わるものなのか。 控えめで上品な言い方は、真一の先入観を崩すには十分すぎた。 「ありがとうございます」