二人で1つの曲を弾く。
それまで目の前のリクに緊張して
強ばっていた私の音楽は
リクの大きな手に包まれ、
優しくなった。
リクの音楽は川を流れる水のよう。
静かに、でも力強く、そして優しく。
聞いている人の心に打ち付けて。
そして
………離れない。
ピアノのコンクールにでも出れば
絶対賞は取れるのに。
めんどくさいから出ないんだって。
もったいない。
「お前は相変わらず力強く弾きすぎ
なんだよ。
楽器吹くときは優しい音色
奏でるくせに、
なんでピアノだと音が硬くなるんだ?」
「べつにー。どーだっていいでしょー。」
わざと素っ気なく言ってみた。
今回のはリクが居たから緊張しただけであって………。
普段ならもっと弾けるもん。

