こんなことになったのは、少し前に遡る。 あの後、私はびっくりし過ぎて長い間見つめすぎていた。 「あんた…」 彼も気付いたのか、指を指したまま動かなかった。 森崎先輩はそんな私たちを見て何を思ったのか知らないが、頭を押さえながら呟いた。 「なに、二人知り合い?」 「いや、別にそんな訳じゃ…」 「なーら、話しは早い!」 「…先輩?」 「今年もやるか!」