君への唄

―お前の命はあと一日だ。


―お前は誰だよ?俺の何なんだ?



―俺はお前、お前は俺だ。明日お前は死ぬ。何年も前から決まっていたのさ。



また声は消えた。

空を見た。満月の光は、僕だけを晒者にしているように思った。

照らさないでくれ。

悲しさよりも惨めさが勝っていた。
死んだ人間が生き返られるわけなどないのだ。どうして気付かなかったのだろう…

やはり全て忘れてしまえばよかった。