君への唄

君はと言えば、虚ろな目を宙に漂わせ、たまに僕の方を見たかと思えば、また白い壁を見るという繰り返しだ。


どうして気付かない?


僕は一日中唄を歌った。僕が歌えば奴も鳴いた。

喉が切れてしまいそうなほど、息をつくのも忘れて唄を歌った。



君は僕を忘れてしまったの?
それとも僕は幻影なのだろうか?

悲しかったが、今の僕には歌うことしか出来なかった。