君への唄

三年目になった。めぐる季節はとても長く、美しかった全てのモノは、今や憂鬱を運ぶだけだった。

たくさんの事を覚えていたのに、ほとんど水のように流れてしまった。

一日が、一時間が、一秒がとても長く、動かすことの出来ない手足をもてあます毎日。



もしかしたら、僕はあの時やっぱり死んでいて、これは僕の願望が産み出した妄想の世界なのかもしれない。
夢なのではないだろうかと思うのだ。


それとも僕は、意識だけの存在と成り果て、ふわふわと宙に漂っているのかもしれない。