浅い眠りの中、ぼんやりと映る光景......。

それは、忘れたくても忘れられない

私の記憶。

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夢の中で...


1人の女の子......

小さい時の''私,,が前を通り過ぎた。



その日は小学校の遠足の帰り。

自分より少し大きい、パンパンに膨れた

リュックサックを背負いながら

カラカラと氷の音がする水筒を肩から下げて

ニコニコと嬉しそうにして

【aizawa】

と表札の書かれた''あの家,,に入っていった。



『たっだいまぁー!!』

靴と一緒に脱げた靴下を履きながら

『あのねー!今日ねー!』

とリビングにいるはずの母親に叫んだ。

靴下が履けると、

(なんで返事がないの?)

と不思議に思って首をかしげ

古い家のリビングのドアへと

ギシ...ギシ......。

と音を立てながら向かう。

『おかあ...さん...?』

【心配】ではなく、なぜだか

【嫌な予感】がした

ゆっくりとドアノブに伸びていく

私の小さな手

ガチャ...。

ゆっくりと開くドア。

その先には

『ひっ......!』

ドアの隙間から見える光景に腰を抜かし

悲鳴を上げそうになった。

『お母さん!!』







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