「2回目も魔法薬やるほど、俺は優しくないから」



翔斗はあたしから離れた。



そっか、あたしって本当に学習しないな。ここまで来た経緯を口にしようとしたらまた激しい頭の痛みが出てくるのに……。



翔斗はちゃんと先まで考えてくれてたんだ。



「ありがとう」



「本当に危なっかしいな。だからこの世界にもそういう間抜けな部分や隙をどこかで見せて連れて来られたんだよ」



「…うん、ごめん」



あーもう!本当に調子狂うなと言いながら翔斗はキッチンの棚をガサゴソ漁り始めた。



そうかもしれない。なんでこんなに自分は隙ばっかりなんだろう。



今日の授業だって失敗ばっかりだった。



あたしはしゅんとして俯いた。