「違う、これはショコラ・ショー」



ショコラ・ショーは温かいチョコレートドリンク。



チョコレートをそのまま刻んで牛乳などに溶かして飲むもので、



ココアと比べるとより濃厚で風味の強いものなんだって教えてくれた。



「…ありがとう」



「飲んだら余計なこと考えずに寝ろ、いいな」



彼はそう言うとドアを開けて自分の部屋に入って行った。



いただきますと小さな声で言って一口飲んでみた。



「おいしい



…ココアしか知らなかった」



甘くて、温かくて



なんだか心がホッとした気がした。



一口飲んでから美味しくて美味しくて気付いたら最後まで飲み干してる自分がいた。



飲み終わった頃には気持ちがだいぶ落ち着いていて、あたしはそれからすぐにさっきの自分が嘘のように眠りにつくことができたんだ。