「あの……予約した「峯岸さまですよね?いらっしゃいませ。お待ちしておりましたよ。只今お持ちしますので少々お待ち下さい」」



真っ白いコックコートに身を包み、首もとにグリーンのネクタイをした店長さんが言った。



「あっはい!」



よかった。あたしたちのケーキちゃんとある。



あるのは予約したから当たり前なんだけど、そう言ってもらえて安心することができた。



って、あれ?今日は店長さんひとりで営業してるの?



いつもはケーキだけじゃなくて、目当てにして来てるお客さんもいるくらいかっこいい店員さんがいるのに。



あたしは店内をキョロキョロしながら店員さんを探す。



クリスマスでこんなお店が混んでたのにお休みってことはないよね。



厨房の方にいるのかな?そう思ったあたしは爪先に力を入れて厨房の方を覗いてみる。