「だからそれ」



「あっ!ごめんなさい!」



言われたばっかなのに、無意識に言葉が出てしまった。



そして、聞きたいことを結局なんにも聞けずに会話が終わってしまった。



彼の足は校舎を出て、また大きな建物に入るまでは止まらなかった。



中に入るとどうやらここは寮みたいで、学校が終わった生徒たちがぞろそろとロビーに集まっている。



その後は階段を上って2階、3階。



3階にはどうやら部屋が1つしかない。なんだかこの階に一つしか部屋がないなんてホテルのスイートルームみたいだ。



翔斗はガチャっとその部屋のドアを開けると、先に入っていった。



そして杖を振って、電気と暖房をつけている。