「大丈夫だよ。そんな気を張らなくたって。もう少し肩の力を抜いて」



学園長先生はあたしのところに歩いてきて、そして優しくあたしの肩をポンポンとした。



「日ごろ私は未桜さんのそばにはいられないけど、翔斗がいるから。



翔斗はこれでもこの学校では私の息子ということもあるが、1番をキープさせてるからそれなりには力にはなれると思う。



だからまずは翔斗のことを信じてやってくれるかい?」



そうだよね、学園長先生にはいろいろ仕事があるもんね。



あたしの学校でも校長先生は始業式とか体育祭とかみんなで集まる時にしか見ない気がする。



でもあたしのそばにいつも翔斗さんがいてくれるんだったら……。



「はい!」



あたしは学園長先生の目を見てそう答えた。



すると学園長先生はコクンと大きく頷くと、ポケットから杖を取り出してそれをあたしの方に向けた。