「甲乙はつけがたかったのですが、翔斗くんのはやはり自分が恋した時の気持ちをケーキに表そうとしていたところが一番大きかったです。



川瀬くんのも良かったのですが、テーマに今一つ「黙れ…」」



尚くんのいつもとは違う低い声で会場中がしーんとなった。



「川瀬くん?」



「口を開けば、翔斗!翔斗!翔斗!



もうたくさんだ!だったら翔斗のことばかり称賛するヤツはみんな消えてしまえばいい。



俺の努力なんて、全部翔斗のせいで消される。



真面目にやっていた自分がバカみたいだ!




みんな……1人残らず消えてしまえっ!」



「川瀬くん!やめなさい!」



学園長先生が大声で尚くんに向かって叫ぶ。



だけどその声は彼には届かなかった。



「“デストリクシオン”」



ミシミシと音が聞こえた思った瞬間、ホールが崩れ始めたのが分かった。




いろんなところから叫び声が聞こえてくる中、天井が落ちてくると思って頭を守ってしゃがもうとした。