「それで、じゃあこのお嬢さんはここに?まさか自分がこっちに修行だからって無理やり連れてきたんじゃないだろうな?」



「そんなことしねぇよ。ていうか、パティスリーでもロクに喋ったこともない」



パティスリー?なんだろ、もしかしてケーキ屋さんのことかな?



翔斗さんと会った場所はそこしかないし。きっとそうだ。



あたしは黙って2人の話を聞きながら、勝手にそう解釈した。



「なら、どうしてこの子はここにいる?この世界には魔法が使える者しか来れないことになっている。



ただ、魔法を使える者が連れてくることはできるがな」



「だから違うって言ってんだろ。俺が会ったのは……」



翔斗さんはあたしと出会ってから人間界の扉に行ってここに来た経緯を話した。