――――…… 「…桜!おい未桜!」 カシャカシャと何かが混ぜられてる音がする。 あれ、あたしって今何をしなきゃいけないんだっけ? 試合ってまだ始まってないよね? 「未桜っ!」 「あっ、あれあたし……」 「試合中だぞ、しっかりしろ!そろそろクリーム作り始めろ。 塗り用、絞り出し用両方多めに作れ。聞いてんのか!」 翔斗はあたしに声を掛けながらヅカヅカこっちに歩いてきた。 やばい!試合に集中してなかったこと怒られる! そう思って、ぎゅっと瞼を強く閉じた。