そんな、そんな。 信じたくなかったのに……。 本当に尚くんがやったんだ。 あたしの体は立っていることができなくなってその場に座り込んでしまった。 「絶対にこのことは誰にもバラすなよ。 バラした時には試合途中でもアイツに危害を加えるから。 最悪、翔斗死ぬかもな」 尚くんはそう告げると調理室の方へと歩いて行った。 「尚くん……」 怖かったこと、辛かったこと、それは全部尚くんのせいだったんだ。 何かあったらすぐ頼れって言ってくれた翔斗には絶対言えない。 じゃああたしはどうしたらいい?