いつも5人で一緒にいた集まりの中の一人があたしの向こうの世界の時間を止めた人だったなんて……。
信じたくない。
「なんでってそんなの自分でも考えてみれば分かるでしょ?
俺の位置、それからアイツの位置。
俺はアイツがこの世で一番嫌いなんだよ。
今だって、アイツはここにいないけれど未桜ちゃんにちゃんと魔法がかけられている。
そういう完璧なところが本当に憎い……。
俺の努力も一瞬にして踏みにじるアイツ、絶対この後の決勝戦でつぶしてやる。どんな手を使っても」
「そんな……」
1度もそんな風には見えなかったのに。
あたしを連れてきたことも信じたくない気持ちが勝って、本当は嘘なんじゃないと思ってしまう。
そして尚くんは不敵な笑みをもらした。

