廊下を歩いて、調理室に向かって歩き出すと目の前にローブを着てフードまで被って顔を隠し、壁に寄りかかっている人が見えた。
あれ、この光景……どこかで。
急に自分の中で危険信号が鳴りだした気がした。
なんだろう、この尋常じゃないくらいの胸騒ぎ。
もしかして……あの人?
怖くなってあの時と同じように走って逃げようとした。
「久しぶり、未桜ちゃん。
違うか、俺たち毎日学校で顔合わせてたからそんな言い方はおかしいか」
走り出そうとしていた足がその人の言葉でピタっと止まった。
いったいどういうこと?
顔を見ようと思っても肝心の口から上が見えない。
毎日学校で顔を合わせていたってことはあたしの知ってる人なの?

